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ヒートショックと住まい
こんにちは!営業スタッフの北嶋です。
3月になり桜の便りがきこえてくる今日この頃ですが、この冬は暖冬だったとはいえ、寒い日も多かったですね。毎年、寒くなる頃に「ヒートショック」がテレビでも話題になりますが、人口動態統計月報年計をみると死亡原因まで明らかになります。日本人は悪性新生物・心臓疾患・老衰・脳血管疾患・肺炎の順に死亡率が高いです。今回はそんな死因にも関係するヒートショックという事故について話をしていきます。
ヒートショックとは
日本人の死因は冒頭でも紹介したように悪性新生物・心臓疾患・老衰・脳血管疾患・肺炎の順に高くなります。今回お話をするヒートショックは季節性があるのが特徴です
ヒートショックとは血圧の変動が起きることを指します。ヒートショックにより死亡する人は年間一定数いますが、ヒートショックが直接の原因で亡くなることは少ないです。血圧の変動とは、どのようなときに起きるのでしょうか。それは寒暖差です。寒暖差が大きいと血圧に大きな負担をかけることとなり、ヒートショックの発生リスクを高めてしまいます。
ヒートショックで死亡する人は年間2万人といわれています。統計学的にみるとこれくらいの数の人が亡くなっているだろうという推計ですが、ご自宅の浴室どで溺死した人数からの推計です。この年間約2万人は交通事故による死亡者の7倍といわれます。
ご自宅の浴室で溺死者のうち9割が65歳以上の高齢者となっています。その中でも75歳以上の年齢層は自宅浴室での溺死頻度が高く、入浴をする際に注意するよう季節ごとに喚起しています。
ヒートショックのメカニズム
ヒートショックはなぜ起きるのでしょうか。答えは、血圧の変動と寒暖差。
私たち人間の身体の中には血液が流れています。血液の中には酸素を運搬する細胞や組織へ栄養を伝える細胞などがあり、大きな血管だけでなく細かな血管(毛細血管)にまで血液が行き渡ることで身体機能を維持しているのです。そんな血液は心臓をポンプのような役割として全身へ送り出されます。この送り出すときに血管へかかる圧力を血圧というのです。血管は弾性があり、健康な人であれば伸び縮みします。年齢を重ねると血管が硬くなってしまうことがあり、これを動脈硬化と呼びます。
血管が伸び縮みしたときの状態を拡張と収縮と呼び、これらの状態で測定する血圧を収縮期血圧・拡張期血圧と呼びます。血圧を「上は〇〇で下は〇〇」といいますよね。上というのは収縮期血圧、下というのは拡張期血圧といいます。一般的に収縮血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上で高血圧と診断されるそうです。
高血圧を放置してしまうと、血管内壁へ高圧で血液が流れ続けることになり血管が痛んでしまいます。そこへ寒暖差が影響しヒートショックのリスクが高くなるのです。人間の身体は体温を一定に保つようにできています。寒い環境へいけば身体を震わせて温める・暑いところでは汗をかいて体温を下げるなどといったことです。血管は寒いところでは収縮し、暑いところでは拡張させます。このように血管は外気や体感温度によって変動するのです。血管はホースのような弾性があるそうです。ホースをそのまま持った状態で水を出すのと、ホースの口を掴んで狭くして水を出した場合では、ホースの口をつかんだときの方が水の威力は強く出ますよね。これと同じような現象が血管内で起こります。
寒いところでは血管が収縮して、血圧が上昇します。その後、暖かいところへいくと血管が拡張して血圧が低下するのです。これにより血圧の変動が起こり、めまいや立ちくらみを起こすことがあります。高血圧を抱えている人では血管が切れてしまい、脳出血を起こすこともあります。
ヒートショックの好発時期は冬場
ヒートショックが一番起きるのは11月〜3月までの冬場です。一般的な住宅ではリビングが暖かく、浴室や脱衣所は寒いですよね。このような条件が重なるとヒートショックを起こしやすくなるのです。さらに、昔の日本家屋は北側に浴室を設計することが多かったです。冬場は北風が強く吹き、浴室や脱衣所を冷やします。暖かいリビングから寒い脱衣所へ行き、血圧が上昇。そこから浴室へ移動すると、換気している浴室では外気と同等に寒いため、さらに血圧が上昇。そして浴槽の中へ入ると血管が広がり血圧が低下する。お風呂から出るときには、急激な血圧低下によりめまいや立ちくらみを起こします。
ヒートショックの予防法
ヒートショックを予防するためにも血圧と寒暖差に気を付けることが大切です。
・血圧の管理
血圧の管理はいつでも誰でもできることです。最近は若い世代でも、健康診断などで高血圧を指摘される方も多いと思います。高血圧と診断された方はもちろんのこと、65歳以上の方は毎日血圧測定して自分の日頃の血圧を把握しておくと良いそうです。
・寒暖差の対策
脱衣所や浴室の寒暖差を予防するためにも簡易ヒーターを設置しましょう。脱衣所の温度を上げるだけでもヒートショック予防につながります。ヒーターの設置が難しい場合は、お風呂を溜めるときにシャワー経由でお湯を張ると良いです。蛇口からお湯を張るのとは違って、お湯が拡散するため浴室全体の温度を上げることができます。
・家族がいる時間にお風呂へ入る
高齢者の方は家族がいる時間や起きている時間にだけお風呂へ入りましょう。ヒートショックが直接的な死因となることよりも、ヒートショックが原因で意識を失い浴室で溺死することの方が割合として多いからです。自分は絶対ならないと思うのではなく、いつなってもおかしくないという意識で冬場のヒートショックを予防しましょう。
一人暮らしの高齢者は家族がいる時間にお風呂に入るということは出来ないでしょうが、同僚の高齢のお母さまは、冬場はその日のうちで一番気温が高い時間を事前に調べてに入浴されるそうです。さらに入浴の前後でラインで報告があるそうです。(私の高齢の母にも真似て欲しいのですが、「寝る前にはいらんと冷える」と言って聞いてくれない頑固な母)
・ヒートショック予報
日本気象協会では、ヒートショックの危険度を予測した「ヒートショック予報」を公開しています。その日の気象予測情報をもとにして自宅内で起きうるヒートショックのリスク目安となっています。住宅の構造や設備の有無・自身の体調などによりリスクの増減がありますが参考にしてみるのも良いのではないでしょうか。ヒートショック予報では、油断禁物・注意・警戒・気温差警戒・冷え込み警戒の5段階で表示しており、地域ごとに分けられています。ヒートショック予報を参考にするのも一つの手かもしれません。
ヒートショックに関して、消費者庁のホームページで注意喚起をしてます。こちら
ヒートショックの予防法 新築の際に出来ること
怖いヒートショックですが、これから新築をされる方には「高気密・高断熱の家」をおすすめします。
田辺木材ホームの家は断熱や気密などの家の性能が高いためヒートショック予防になると思います。
田辺木材ホームの家の場合は、エアコンの使い方については各部屋のドアや引戸を開けっ放しにして、家全体の温度ムラを少なくすることおすすめしています。洗面や使っていないときの浴室も開けっ放しです。
エアコンはドアを開けっ放しにしていただければ、リビングに大きな吹き抜けがある場合などはを1台で。1階と2階が吹き抜けなどでつながっていない場合は1階と2階各1台ずつを付けっぱなしで運転します。断熱性能が高く、隙間がほとんどない家のため、設定温度まで室温が上がるとエアコンは止まり待機状態になります。(家全体をまるっと暖めるイメージです)
各居室で個別にエアコンを使用するよりも電気代も抑えられ、温度ムラもなくなります。エアコンを設置している部屋と設置していない部屋の温度差が2度くらいまでになるように温湿度計もおいて確認しましょう。
田辺木材ホームでは断熱等級6以上(HEATH20 G2レベル)で新築をしています。
新築時のコストは断熱を最低レベルて建てた家より高くなります。
しかし、電気代などの光熱費だけでなくヒートショックを予防し、医療費削減、介護にかかる費用を削減することは、将来の家計に大きく関与することと思います。
田辺木材ホームの家で暮らしていただくことで、健康寿命を延ばすことにつながれば嬉しいです。
ヒートショックの予防法 リフォームの際に出来ること
リフォームの場合は、現在のお家の断熱性能にもよりますが、以下のようなことが出来ます。
・窓の断熱性能を高める(内窓、窓交換など)
・在来工法の浴室の場合は、ユニットバスの交換
・古いユニットバスの場合は、ユニットバスの交換
断熱リフォームももちろん効果がありますが、現在のお家の性能にもよりますが費用対効果は低いこともありますのでよく検討することが必要です。ぜひ経験豊富な田辺木材ホームにご相談下さい。
窓などのリフォームには補助金の利用も出来る場合がありますのでご相談下さい。春から秋にリフォームをして、次の冬に備えることができます。
営業スタッフ 北嶋