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絶対湿度をご存じですか
こんにちは!コーディネーターの染野です。
年が明けてもう1か月が過ぎましたね。昨年、新型コロナウイルス感染症の5類移行され、行事やイベントが再開し街の活気が戻りつつあります。その影響か最近は新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの感染が増えていますね。(実は私も2月初めにコロナに感染してしまいました…)
この感染症等の流行に深くかかわっているのが空気の乾燥です。そこで本日は乾燥を示す湿度についてお話ししたいと思います。
相対湿度と絶対湿度
皆さんは湿度が2種類あることをご存知でしょうか?
湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」があります。天気予報や温度計でよく見かける湿度〇%というのは相対湿度のことなんです。
その相対湿度と関係しているのが飽和水蒸気量です。
画像引用:板村地質研究所
空気中には気温ごとに含むことのできる水蒸気の量の限界(飽和水蒸気量)が決まっています。気温10度の時は9.4g/㎥、気温30度の時は30.4g/㎥まで含むことができます。
画像引用:ウェザーニュース
相対湿度はその飽和水蒸気量に対して何%の水蒸気が含まれているのか(どのくらいの割合で水分を含んでいるのか)を示しているのです。
つまり気温10度で湿度50%と気温30度で湿度50%は、同じ湿度50%でも含んでいる水蒸気の量は全然違うのです。冬が乾燥しやすいのは、夏に比べて飽和水蒸気量が下がるからなんですね。
画像引用:ウェザーニュース
ここで実際に空気に含まれている水蒸気量を示しているのが絶対湿度です。そして空気の乾燥や室内の快適さがわかりやすいのもこの絶対湿度なんです。
快適な湿度は絶対湿度を見る
画像引用:株式会社エー・アンド・デイHP
絶対湿度早見表というものがあります。縦軸が気温で横軸が相対湿度です。
画像引用:株式会社エー・アンド・デイHP
そしてこの表はインフルエンザ流行の目安として色分けされています。絶対湿度が感染リスクの重要なポイントの一つになるのです。
インフルエンザウイルスと絶対湿度の関係について詳しくはこちら
上記で示したインフルエンザ流行の目安も大事ですが、冬は肌や喉の乾燥も気になります。逆に夏は湿度による蒸し暑さが気になりますよね。
この快適さには相対湿度はもちろん絶対湿度も関係しており、一般的には絶対湿度の快適領域は7~12g/㎥と言われています。
田辺木材ホームの事務所にはこの絶対湿度が一目でわかる温度計を設置しています。
エー・アンド・デイさんの「AD-5686」と「AD-5687」通称みはりん坊Wです。一番上にある乾燥指数が絶対湿度のことです。
私の自宅にもみはりん坊Wを設置して毎日事務所と自宅の室内の絶対湿度を確認していますが暑さや寒さ、乾燥の体感は室内の温度や相対湿度より絶対湿度の方が数値としてわかりやすく感じます。
冬の時期、室内の温度を22度くらいに保っていますが、少し寒いなと感じた時に絶対湿度を見ると7g/㎥に近いことがあります。逆に暖房の温度を上げてないし温度も22度くらいで少し暑いかなと感じた時の絶対湿度は11g/㎥を超えています。暑いと感じるときは大体外で雨が降っているか、人が集まりすぎた時ですね。
夏も同じく冷房の温度や室内の温度が変わっていなくても、暑く感じるときは絶対湿度は15g/㎥ほどに上がっています。どんなに室内の温度が下がっていても15g/㎥を超えるとかなり不快なんです。
田辺木材ホームの事務所は断熱気密ともに高い性能で、一般的な住宅と違いお風呂や洗濯ものがないので、乾燥以外の不快さは感じにくいです。しかし私の自宅は賃貸のマンションでサッシの性能は悪く日も当たりにくいため、家に帰ると冬は6g/㎥、夏は18g/㎥なんてこともあります。快適な室内環境をつくるためにも絶対湿度の管理は必須ですね。
絶対湿度をコントロールする
冬はとにかく乾燥を防ぐごとが大切です。つまり絶対湿度を上げなければなりません。現在使っている人も多い加湿器は手っ取り早く湿度を上げれます。また入浴後、浴室のドアや脱衣室のドアをあけて湿気を室内に流すことも加湿につながります。洗濯物を室内に干すのも有効的ですね。
夏は逆に絶対湿度を下げなければなりません。浴室はドアを閉めて換気扇を回したり、脱衣室や洗濯物を干すスペースには除湿器もいいですね。
家全体の湿度を均一に近づけるためには、計画的な換気も必要です。空気が流れにくい場所はサーキュレーターで空気を回すことで家全体の温度と湿度を管理しやすくなります。
換気について詳しくはこちら
より良い室内環境にするためには、家の断熱・気密性能だけでなく暮らし方を見直すことも大切です。
設計・コーディネーター 染野