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耐震について
このたび令和6年度能登半島地震で犠牲となられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆様の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
こんにちは。営業スタッフの北嶋です。
元旦の午後、初詣の神社にて地震の速報を見ました。その後テレビなどで被災地の状況を見ると地震により生じる様々な被害(家屋などの倒壊・液状化現象・地すべり・津波・火災)が同時多発しており、住宅を建てる仕事をしている私は地震の恐ろしさと共に、耐震性の重要性を強く感じました。
地震による建物の被災の状況などは、今後、学会や様々な検証チームが現地に入り調査することにより詳しくわかってくると思います。
今回のブログはお家の「耐震」について書きたいと思います。
土地価格や建築価格の上昇により、おのずど建築費にかける予算が削られる傾向にありますが、私は、見た目のデザインや流行の住宅設備よりも、まずは住む人の「命」をまもる耐震や断熱が大切だと考えています。
耐震基準は家を守るものではなく、命を守る基準
耐震基準を定める建築基準法は『国民の生命、健康および財産の保護を図ることを目的とした、最低限の基準』とされています。
建築基準法が守ろうとしているのはあくまでも『命や健康、持っている財産』であり、家自体はそれらを守る単なる箱です。
同様に耐震基準も、地震が発生したときに即座に家が崩落・倒壊し、命が奪われることがないようにするための基準です。地震に遭っても壊れずに、そのまま住み続けられることを保証するものではありません。
能登半島では2018年頃から地震が増加傾向で、2020年頃からは地震活動が活発でした。これまでに何度も地震が起きたことで今回の地震に至るまでにすでに建物が地震による影響を受けていたのかもしれません。
新耐震基準とは
我が家は「新耐震」だから安心と思っていませんか?
新耐震基準が施行されたのは、1981年(昭和56年)6月1日です。43年も前の基準なのです。
名前が、新耐震なので最新最高基準かと思わる方もあるかと思います。
1950年に建築基準法が施行された際に制定された耐震基準は、大地震が発生するたびに見直され、これまで1981年と2000年に大きな改正がおこなわれました。なかでも1978年の宮城県沖地震の甚大な被害を受けて1981年におこなわれた改正は、耐震基準の節目とされています。それに伴い、1981年5月31日までの基準は「旧耐震基準」、同年6月1日以降の耐震基準は「新耐震基準」と呼ばれるようになりました。
さらに2000年には、主に木造住宅の耐震性向上を目的に、新耐震基準をさらに強化した現行の耐震基準(2000年基準)が設けられています。
大きな震災が発生すると、住宅にどのような被害があったのか、何が原因だったのかについての調査がおこなわれます。その結果を精査し、どうすればより耐震性が高まるのかを考えることで、改正が繰り返されているのです。
◆1981年に「新耐震」へ改正された理由
1981年に「新耐震基準」に改正されたのは、1978年に発生した宮城県沖地震による被害がきっかけです。震度5の地震によって、多大な被害が生じました。
主にブロック塀の倒壊や落下物による負傷、火災発生、などさまざまな被害がありましたが、震度6以上の地震だった場合、建築物や住宅の倒壊はさらに大きな数字を生み出し、多くの人命も失われていた危険性があったと考えられます。そのため、震度6~7程度の地震でも倒壊しないような耐震性を家屋に求められるようになり、「新耐震基準」が設けられました。
◆「新・新耐震基準」「2000年基準」
2000年の改正によって設けられた基準は、「2000年基準」や「新・新耐震基準」と呼ばれています。2000年基準は、新耐震基準で建築された多くの木造住宅が1995年の阪神淡路大震災によって倒壊・半壊したことをきっかけに、新耐震基準の弱点を強化し、主に木造住宅をターゲットとして制定された基準です。
地盤調査の規定が充実されたほか、地盤の耐力に応じた基礎構造とすることや、筋交い(すじかい)金物や柱頭柱脚(ちゅうとうちゅうきゃく)接合金物の使用の規定、耐震壁の配置バランス、偏心率などの規定を示しました。のちの2016年に起こる熊本地震にて、2000年基準で示した規定の重要性が明らかになるのです。
新耐震や2000年基準で建てられた家は震度6~7の地震の際に、即座に倒壊して人命を落とすことのないように定めた基準です。これで「安心」と考えられる方はこの基準を満たしていれば、建築基準法に定める最低限の基準で新築することは可能です。
しかし、みなさんの考えられる「安心」が震度6~7の地震がきても「住み続けられる家」であればこの最低限の基準では不安を感じると思います。
不安を感じる方には、次の「耐震等級」について読んでいただきたいと思います。
耐震等級とは
耐震等級は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいて制定された、地震に対する建物の強度を表す指標です。
等級は1~3の3段階に分かれ、等級の数字が大きいほど建物の耐震性能が高くなっています。地震があった際に耐えられる建物かを判断し、地震に対する構造躯体の倒壊などのしにくさを表示しています。
田辺木材ホームは耐震等級3が標準仕様となっております!
なぜ田辺木材ホームは耐震等級3を標準仕様としているのか
◆2016年の熊本地震
記憶に新しい、2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、益城町で震度7の揺れを記録しました。私たちの住む福岡県でもその揺れを感じました。その後も余震が続く中、4月16日午前1時25分には最初の地震よりも大きいマグニチュード7.3の地震が発生、益城町と西原村で震度7を記録したほか、熊本市を含む広い範囲が強い揺れに見舞われました。気象庁はこの一連の地震を「平成28年(2016年)熊本地震」と命名しました。
本震と思われていた最初の地震の後にそれ以上の大きな地震が発生したのです。
震度7の地震が28時間内に2回発生したことは観測史上初めてでした。
3日の間に震度7の地震が2回観測され、建築物に甚大な被害が発生しました。しかし、耐震等級3の木造建築物の倒壊数はゼロ。建築基準法レベルの木造住宅は、わずかながらも倒壊や大破が見られています。
現行の建築基準法に適合しているとされる木造建築物も、2.3%(7棟)が倒壊。4%(12棟)が大破しています。その一方で、耐震等級3の木造建築物にいたっては、倒壊も大破もゼロで、軽微な小破が2棟のみでした。このことから、旧耐震基準より新耐震基準、そして新耐震基準の中でも、耐震等級3の耐震性と安全性の高さが証明されたといえるでしょう。この熊本地震の教訓から、田辺木材ホームは耐震等級3を標準仕様としました。
日本は地震大国といわれます。いつ、どこで大地震が来るのかわかりませんが、自分と大切な家族とその住まいを守るために出来ることは何か考え、準備をすることは大事なことだと思います。既にお家を建てた方はご自身のお家の耐震について、まずは確認をし、必要であれば耐震補強も考えてみてください。これからお家を建てようとなさっている方は、耐震等級3での建築を選択していただきたいと思います。
営業スタッフ 北嶋