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2026.07.30 家づくりよもやま話暮らすこと

断水時も慌てない。エコキュートのタンク水を「非常用水」として使う方法

このたびの令和8年熊本地震により被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と一日も早く平穏な日常が戻りますようにお祈り申し上げます。


令和8年7月28日に発生した熊本地方を震源とする地震(令和8年熊本地震)では、最大震度7を観測し、広い範囲で断水が発生しました。このような災害時、実は多くのご家庭にある「エコキュート」が、生活用水の確保に役立つことをご存じでしょうか。
エコキュートの貯湯タンクには、常に200〜460Lほどの水(お湯)が蓄えられています。これはご家庭の人数にもよりますが、トイレの洗浄水であれば数十回分、手洗いや清掃用水としても数日分に相当する量です。断水が起きても、タンク内に水が残っていればこの水を非常用水として取り出すことができます。ライフラインが同時に止まりやすい地震災害では、給水車や飲料水の確保に注目が集まりがちですが、実は「生活用水をどう確保するか」も暮らしを保つうえで重要なポイントです。今回は弊社が標準採用しているダイキン製エコキュートを例に、断水時のタンク水の使い方を、施工に携わる立場から分かりやすくご紹介します。

 


タンクのどこに何があるか

まずは各部の位置を確認しましょう。



● 給水止水栓:エコキュートへの水の入り口。断水前にここを閉めることで、濁った水や空気がタンクに入るのを防ぎます。
● 逃し弁レバー:水を取り出す際に上げ、止める際に下げる操作レバーです。
● 非常用取水栓:ここにホースをつなぐことで、タンク内の水を外に取り出せます。
● 漏電遮断器:非常用水を取り出す前に必ずOFFにします。


機種によって位置や形状が異なるため、実際の操作前に取扱説明書やお使いの機種の据付位置をご確認ください。


断水が始まったら
断水が発生したら、まずエコキュートの給水止水栓を閉めてください。止水栓の場所がわからない場合は、住宅の水道メーター横にある止水栓を閉めることで代用できます。これは、断水中に水道管内で発生した濁り水や空気がタンク内に入り込むのを防ぐためです。


非常用水の取り出し方(4ステップ)



1. 貯湯タンクの漏電遮断器を「OFF」にする
2. 止水栓が閉まっていることを確認し、逃し弁レバーを上げる
3. 内径8mm・外径10mm・長さ25cm以上・耐熱90℃以上のホースを非常用取水栓に差し込み、栓を開けて水(お湯)を取り出す
4. 使い終えたら取水栓を閉め、逃し弁レバーを下げてホースを外す


取り出し始めは湯アカなどが混じることがあるため、しばらく流してからご使用ください。タンク内のお湯は高温になっている場合があり、やけどには十分ご注意を。また、この水はあくまで生活用水であり、飲用・調理には使用しないでください。


断水が終わったら
断水が復旧しても、すぐに給湯を使うのは禁物です。給水止水栓は閉めたまま、まず蛇口の水側を開いて濁りや空気が出なくなるまで流し切ります。きれいな水になったのを確認してから止水栓を開け、逃し弁を上げてタンク内の水を入れ替え、最後に漏電遮断器をONに戻して沸き増し運転を行うと、通常通り使用できるようになります。エラーコードが表示された場合は、リモコンの案内に従ってリセットしてください。


平時からの備えとして
非常用水の取り出しは、いざという時に落ち着いて行えるかどうかが肝心です。断水してから初めて操作方法を調べるのではなく、平常時に一度、ご自宅のエコキュートの給水止水栓・逃し弁レバー・非常用取水栓・漏電遮断器の位置を確認しておくことをおすすめします。特に脚部化粧カバーが付いている機種は、カバーを外さないと止水栓が見えない場合もあるため、事前のチェックが安心につながります。
また、内径8mm・外径10mm・耐熱90℃以上の専用ホースを1本、防災用品と一緒に用意しておくと、実際に断水した際にすぐ対応できます。ご家族の人数分の1日あたりの水使用量を把握しておくと、タンク内の水でどのくらいの期間をしのげるかの目安にもなります。


おわりに
今回のような大きな地震では、断水が数日〜1週間以上続くケースもあります。エコキュートは「省エネな給湯設備」であると同時に、いざという時の水の備えにもなる心強い存在です。当社で高性能住宅を建てられたお客様には、平時からタンク内の非常用取水栓の位置を確認しておくことをおすすめしています。日頃からの備えが、災害時の安心につながります。


出典:ダイキン工業株式会社「よくあるご質問」、気象庁・熊本県・熊本市 各公式発表資料を参考に作成